不妊治療

不妊と分かった時の精神的ショックの大きさを知って欲しい

不妊治療のことってなかなかオープンに人に聞けないし、ショックなことがあっても言い出せなくて、孤立を深めちゃうことありますよね。ましてや、結婚したら子どもができて当たり前のような感じで言われると、余計傷ついたりうつ状態になってしまったり。いつも元気いっぱい!うつ病とは無縁!のように思われてた私も、うつ病に陥ってしまいました。私の体験が世の中の役に立つことを願って書きます。

ガンを宣告されたときと同じくらいのショック

不妊治療を始める前は、まだ33歳だし体外受精1回やったら妊娠するんじゃないかと、夫婦とも軽く考えていました。しかし、検査を受けて改善しても、まだ授からないということの繰り返しでした。特に採卵手術で痛い思いをしたのに体外受精に使える卵が採れなかったときや、流産はショック大でした。もしかすると現代の高度医療でも授からない体なのか?とショックと不安に打ちのめされました。

2019年7月9~11日、日本テレビ「スッキリ」で3日間の不妊治療特集をしていました。その中で、医師が不妊症と分かったときは、ガンやエイズを宣告されたのと同じくらいのショックがあると解説されていました。 よく言ってくださいました! この例えには不妊治療経験者の視聴者全員がうんうんと大きく頷いたのではないでしょうか。

不妊治療をしていることは、ほとんどの人が治療中はカミングアウトしていません。結婚しているけれど子どもがいないという方は、気丈に振る舞っていてもかなり精神的に追い詰められていることがあります。SNSで友人の子どもの写真すら直視できない、おめでたのしらせを聞いても心の底から喜べないという方も多いのです。

不妊治療の経験がある方、たまたま治療せず授かったけれど不妊治療のことを考えたことがある方、自分の身の回りに治療で苦労されている人がいる方は、比較的理解があると思います。しかし、治療内容や原因は人それぞれ。「治療をやめたら授かったって聞くよ」と軽々しく言わないで欲しいです。詳しく聞いたら、通院中に卵管造影検査をしてて、そのあと自然にできたという人もいました。それは通院の効果ですから!(笑)

クリニックでは不妊症と言わない?

私は不妊治療のクリニックで色々な検査をしましたが、未だに「あなたは不妊症です」と言われたことはありません。通院しているクリニックは、患者の4割が40代らしく、看護師は34歳の私に対して「まだ若いから可能性がある!」と励ましてきます。原因を一つ一つ潰して適切に治療すれば妊娠するはずなので、私はまだ不妊症ではないということかもしれません。単に「不妊症」という言葉で患者に精神的ダメージを与えないように禁句にしているだけかもしれませんが。

不妊症と言っても、妊娠しない原因はたくさんあります。なので、この症状があるから不妊症ですとは言い切れないと思います。実際、私がこれまで見つかっている原因は、克服すれば妊娠した実績がたくさんある症状です。しかし、私のように原因が1つではなく複数あると、原因の特定に時間がかかり、通院期間も治療費も膨らみます。その間に、これ以上続けるのは難しいとなり断念する夫婦もいると思います。私もさすがに治療費が200万円を超えたときはもう限界かも…と思いました。親には、「ぼったくりの病院なんじゃ…」と言われる始末。そういう言葉もグサッときます。身も心も財布も痛い目に遭ってボロボロなのに。

無事に妊娠・出産できたら、その方法がその時の夫婦にとって最適な手段だったと分かるのですが、妊娠できない、出産まで辿りつかないという場合は、まだ何か原因がある=まだ治療する余地があるとも考えられます。その一心で、治療に希望を見出していかないと、やってられません。

ただ、医師から「卵子の老化を防ぐ薬はない」と言われたことがあります。今のうちに頑張れ!ということだと受け止めていますが、これってもし自分が40歳のときに言われたら、頭では分かっていてもショックだろうなぁと思いました。もういっそ「君は不妊症だ!」とズバッと言ってくれたほうが、不妊治療を止めて、自分の子どもを抱くことを諦めることができるのに…と何度も思いました。

全ての原因が最初の検査で1発で分かってくれたら…と思いますが、なかなかそうはいきません。検査によっては体外受精を2回失敗した実績ができないとできないもの、流産を2回以上繰り返さないとできないものもあります。今回はここを改善してやってみよう、それでもダメならこんな原因が考えられるので、今度はもうちょっと改善してやってみようという、ステップアップ治療の繰り返しです。なかなか妊娠しないということは原因が分からなくて、本人や夫婦が辛い思いをしてるのです。

言われて傷いた言葉~プレマタハラからうつ病を発症~

私が勤めていた職場には、独身の頃から「結婚はまだか?」「彼氏おらんのか?」など挨拶代わりに言ってくる昭和のおじいさんがいたため、結婚したら「子どもはまだか?」など、少なからず言われるであろうと、たいていの言葉は右から左へ聞き流していました。今の時代、職場でこんなことを言ったらセクハラでアウトですが。

しかし、現実には色々な場面で心ない言葉をかけられ、特にひどかった3件は正式に会社へセクハラ申告をしたことがあります。私が盾になり、同様にセクハラ発言を受けている後輩の女子社員を守りたい気持ちもありました。

仕事関係の男性から言われて嫌だった言葉は、「次できるのは誰かな?」「親と同居してるから子どもができないの?」「早く保育所を使えるようになりなさい。」などなど。これでもだいぶソフトな部類です。ブログに書くのも気が引ける悪言は他にもありました。これはいわゆるプレマタハラです。

女性からもありました。喉を傷めてマスクをして通勤した日、男性も座っているフロアで「生理きてるの?」と言われ、返事をしたくてもうまく声が出ないと「〇〇さんが妊娠した時は大変だったから~」と、明らかに妊娠を疑われ、風邪は仮病扱いされました。周囲に男性も座っているのに「生理きてます」と返事しなくてはいけない状況でした。頑張って声を出せば喉は悲鳴をあげるし、生き地獄でした。体調を心配するならせめて女子トイレで会った時に言って下さい(笑)

さらに、会社へ申告したあと、望んでいないのにセクハラの件で、加害者と被害者で面談するように言われる、いわゆるセカンドハラスメントもあり、「それってセカンドハラスメントじゃないですか?面談に出ないといけないなら会社に行けません。」と伝えて1日休んだところ、翌日会社から謝罪文をもらいました。

幸いなことに、ハラスメント的な方から私を守ろうとしてくれた同僚もいましたし、会社に申告する際に親身に相談にのってくれた同僚もいましたが、次々と降りかかるハラスメントに、疲弊し精神がすり減っていきました。やがて、会社と戦うのに疲れてしまいました…。

不妊治療クリニックで主治医から「ストレスはホルモンに影響する、今の状態は良くない。」と言われ、心療内科の紹介状をもらいました。

この経緯については、下記の記事で詳しく書いています。

良好胚でも妊娠せず着床障害の疑いが浮上

些細なことがハラスメントになることも

些細なことでも、子どもを授かれないと悩んでいる方は、周りからの心ない発言やプレッシャーを受けるとストレスになります。そして、脳は卵巣などへホルモンを出す指令を出していますが、ストレスはその邪魔をし生理周期が乱れたり不妊治療に悪影響を与えます。

身の回りに子どもがいない夫婦がいれば、不妊治療をしてるかどうか知らなくても、 常識のある方は「子どもの予定は?」のような、あからさまなことは言わないですよね。センシティブな話題を避けるに越したことはありません。便りのないのは良い便りです。関係が近ければ近いほど、妊娠して安定期に入ったり、子どもが産まれたらちゃんと報告があるはずです。

しんどい時の対処法、プレマタハラへの罰則は?

子どもを望んでいる方が、嫌な言葉をかけられることはゼロではないと思いますが、セクハラを訴える窓口があれば相談してみましょう。

男女雇用機会均等法により、企業は「マタニティハラスメント防止のために必要な措置」をとることが義務付けられています。私が勤めていた会社にも規定で定められていました。しかし残念ながら、まだ法律でも社内の規定でもプレマタハラまでカバーされていないのが現状です。マタハラで訴えることはできませんが、プレマタハラはセクハラの一種です。訴える場合はセクハラ窓口へ相談してみましょう。

そんなのもしんどいとか、相談窓口のない親戚や友人から言われる場合は、距離を置いてみましょう。嫌なことを忘れられるストレス発散方法を見つけて、果報は寝て待つ。これができないほど、辛い気持ちになるときは心療内科や精神科で相談してみて下さい。

私はハラスメント的な人間と距離を置いて連絡を一切絶ってから、夫、母、精神科医、優しい同僚、不妊治療仲間、話しやすい友人のおかげで、なんとかうつ状態を緩和することができました。夫には旅行に連れ出してもらったり、プッと笑ってしまうような小ネタを見せられたり、そんな些細なことが嬉しかったです。仕事は辞めても、この人とは一生いたいなと思うことができました。

ABOUT ME
hayachan
33歳で不妊治療クリニックに通い始め、次々と予期せぬ展開へ。34歳で仕事と治療の両立が困難になり泣く泣く退職。治療費は200万円を突破。そんなリアルをお伝えします。