不妊治療

不妊治療はいつまで続ける?治療のやめ時を決めておこう

不妊治療をいつまで続ければいいのか…?なかなか妊娠しないと誰しもこんな悩みや迷いが出てきます。答えは人それぞれ、夫婦それぞれなのですが、私たち夫婦が何を基準にリミットを設定したのか?また、約束した目標を途中で変えたくなった理由と、夫が同意してくれたことを解説します。

予算で決める

不妊治療の中で一番の悩みの種は、やはりお金のこと。例えば、家のローンがあると、不妊治療に何百万もかけていられないと諦める方も少なくありませんし、削れる貯金がなくなったらこれ以上は無理!となります。最初に思っていた金額より使いすぎじゃない?とあとから夫婦間で揉めることは避けたいものです。

タイミング法や人工授精までは、べらぼうに高いわけではないのですが、体外受精や顕微鏡受精に進むと大金が飛んでいくため、不妊治療を始める前にあらかじめ夫婦間で限度額や負担額の相談をしておくと良いと思います。

私たち夫婦は、結婚した時から「二人の貯金」を始めました。月給の手取りの2割を「二人の貯金」に入れるようにしています。最初は貯まるばかりで、遠い将来、家の修繕が必要になった時などにこの貯金があると安心だなくらいの気持ちでした。しかし、不妊治療を始めるにあたり、夫が「不妊治療は二人のことだから、二人の貯金からお金を出そう。」と言ってくれました。不妊治療クリニックに通いはじめると、ほとんどが私にかかる治療費で、保険適用外も多々あり、本当に助かりましたし、金銭面では心に余裕を持つことができました。

つまり、私たちの不妊治療の予算は「二人の貯金」ということになりましたが、我が家の場合さすがに支出できる額は300万円が限界と思っています。それ以上使うと、産んでも子どもを育てるお金に困りそうです。不妊治療を始めた当初は、まだ二人とも年齢が30代前半で、若いから体外受精1回くらいで妊娠するんじゃないかとか、100万円あれば不妊治療は終わるんじゃないかとも思っていました。現実はそんなに甘くなく、既に200万円を超えています。

また、不妊治療スタート時に「二人の貯金」は100万円以上貯まっていたので、夫婦揃ってこれなら体外受精を3回までしても余裕があると考えていました。なぜなら、その時点では体外受精は1回30万円くらいと思っていたからです。実際には1回目の体外受精に60万円かかり、貯金はみるみる減っていきました…。このような予期せぬ誤算で慌てないよう、不妊治療の費用は多めに用意しておいた方が良いです。予算を使い切らずに妊娠できたら、子どものために使えば良いですしね。

体外受精や顕微鏡受精の場合は、自治体から助成金をもらえる場合もありますが、私たちは初年度は所得制限でもらえませんでした。(しかし、同じ年収でも2年目は助成金をもらえました!その方法はまた別のブログで詳しく紹介します!)私の自治体の場合は、助成金をもらえても、体外受精の初回は30万円、2回目以降は15万円、申請は6回までと決まっています。助成金30万円をもらえたとしても、治療費全ては賄えません。あくまでも、助成金は費用の補助なのです。自腹を切らないといけない覚悟を持ち、過度に助成金をあてにしない方が良いです。

体外受精や顕微鏡受精も視野に治療を考えているご夫婦は、最低100万円は出て行くと思って貯金や日々の生活費のやりくりをするのがベターです。仕事をしながら不妊治療をしているご夫婦は、タンス預金でも良いので、毎月生活費を圧迫しない範囲で不妊治療貯金として積み立てることができれば、体外受精や顕微鏡受精で1度うまくいかなくても、またチャレンジしようと前向きになれ、家計へのダメージも緩和されると思います。言わずもがな、不妊治療に使えるお金が多ければ多いほど、高度生殖医療にチャレンジできる回数が増えます。

年齢で決める

30代~40代のご夫婦は、お金の問題より年齢的な問題のほうが焦ってしまうのではないでしょうか。女性が35歳を過ぎると卵子の質が低下していくとか、40歳を超えると妊孕性が低下していくとか聞くと、34歳の私でも焦ります。今のうちに妊娠しないと35歳を超えてしまうので、33歳や34歳でもうまくいなかったのに、さらに妊娠が遠ざかるのではないかと思ってしまいます。

「41歳で自然妊娠する人もいるから!」とか、「多嚢胞性卵巣なら年齢が上がれば自然妊娠できるんじゃない?多嚢胞性卵巣だったけど39歳で自然妊娠した人知ってるよ。」などの励ましを受けたことがありますが、それはその年齢でも自然妊娠できる人の話です(笑)不妊治療クリニックに通っている方々は誰しも、今すぐでも妊娠したい!できることなら年を取る前にさっさと産みたい!と思っているんですよね。年齢でどうこう言われても、原因は人によって違いますし、せっかくの励ましも時にはただの無責任発言になり得ます(笑)

で、話を戻して何歳まで治療を続けるか?ですが、男性は50歳を超えても精子があれば大丈夫と思います。女性の場合は楽観的に考えても45歳が上限ではないでしょうか。厳しいことを言うと、私の自治体で体外受精や顕微鏡受精の助成金をもらうには「女性43歳未満」という条件があります。医療が進歩したとはいえ、世間的には43歳までが適齢期ということなんだろうなと現実を突き付けられます。

あまり高齢で子どもを産むと、子どもと遊ぶ体力がもたない、定年を迎えてから子どもの教育費が心配、子どもが若いうちから介護の負担を強いてしまうかもしれない、2人目がつくれないなどの不安を抱く方もいると思います。どうしても子どもが欲しい場合は、特別養子縁組を選択する夫婦もいらっしゃいます。特別養子縁組をする場合は、仲介団体によって年齢制限がありますので、早めに育て親登録を行うとチャンスが広がります。

私たち夫婦は、私が35歳の間は不妊治療を続けるつもりですが、治療費が300万円を超えたら治療をやめ、DINKsとして旅行や趣味を楽しみながら生きて行こうと思っています。甥っ子がいるので、その子を我が子のように可愛がろうと思っています。

今の時代、子どもが一生面倒を見てくれる保証はありませんし、子どものいない人生のほうが予想外の出費が抑えられ、マネープランやライフプランが立てやすく、金銭的には余裕を持った暮らしができる可能性が高いです。そのようなDINKsのメリットを考えることで、人生子どもを産むことだけが全てではないと思えてきます。

治療開始年齢にもよりますが、女性が30歳になるまで、35歳になるまで、40歳になるまで、助成金をもらえる上限の年齢になるまでを一区切りとして頑張ってみて、さらに治療を続けるどうかはその都度、ご主人や主治医と相談するのも良いと思います。

治療回数や期間で決める

私は今でこそ体外受精を何度も受けていますが、元々は子どもはいなくてもしいし、自然にできないものを無理に治療してまで産むのはどうかと思っており、子作りにも不妊治療にも超消極的な人間でした。夫も結婚当初は子どもが欲しいけれど自然妊娠で授かりたい、人工授精や体外受精は自分が作ったという気がしないと言っていたくらいです。

高度生殖医療まではしたくないけれど、タイミング法でできる治療のみしたいというご夫婦はいると思います。深刻な症状がない場合、漢方薬やサプリメントで改善できる場合もありますし、子宮卵管造影で通りが良くなればうまくいく場合もありますので、大いにアリだと思います。

タイミング法で成果が出なかった場合は、人工授精までしてみたいというのもアリだと思います。

あるいは、タイミング法や人工授精を何回してダメだったら体外受精にステップしようと、あらかじめ治療回数治療ステージごとに目標を立てるのもアリだと思います。実際に進めるかどうかは主治医と要相談ですが。

治療回数ではなく、治療年数で決めるのもアリだと思います。例えば、不妊治療のための休職が認められている会社では1年を限度としているところが多いです。(私が勤めていた会社は制度がありませんでしたが。)しかし、1年あっても足りないかもしれませんので、タイミング法や人工授精で休職制度を使うのはもったいないです。理想としては、できる限り最初は有給休暇を活用して通院し、体外受精や顕微鏡受精をすることになったら休職を相談してみましょう。

原因が分かるまでと決める

妊娠しない、または妊娠しても出産まで至らないということは、何か原因があるはずです。病気や何かしらの不具合が隠れていることが考えられます。不妊治療で受ける検査は、普通の健康診断にない項目が多々あり、これまで知らなかった自分の病気などを指摘されると多少なりともショックを受けると思います。私もいきなり甲状腺の病気を指摘され、その時は頭が真っ白になりました。

原因が複数ある方は、検査や治療のたびに原因を1つ1つ潰すことになるため、原因が分って治療、また別の原因が分かって治療となり、何年かかるか分かりません。最初から全ての原因を知ることができれば良いですが、それは難しいです。

治療すれば治る、不具合を改善すれば妊娠する、という原因ならまだ良いですが、自分でも現代医療でもどうしようもない染色体異常が見つかるとどうでしょうか?そうだったんだとスッキリする方もいれば、逆に知らないほうが良かったかもしれないと感じる方もいると思います。

ここで急に理科の話ですが、染色体とはDNAがたくさん巻かれているものです。そしてDNAは2本鎖(二重らせん構造)をしており、DNAの情報を1本鎖に写したものがRNAです。私の場合は着床障害の疑いでERA検査を受け、子宮内膜をRNAレベルで検査してもらいました。この検査で着床できる時間がズレていることが分かり、かなりスッキリしました。ズレが分かれば、受精卵(胚盤胞)の移植時間をコントロールすればうまくいく方が多いので、他に原因がなければまだ現代医療でなんとかなるレベルです。

さらに上の段階になり着床前染色体検査を受けるご夫婦であれば、心身だけでなく、金銭的にも期間的にも不妊治療にかけてきた苦労は計り知れません。なかなか不妊の原因が分からない夫婦は、そのような検査をしてもらいたいと考えたりしますが、すぐに簡単にしてもらえるものでもありません。ある意味、ここまで来れば不妊治療の頂点を極めていると言っても良いかもしれません。

不妊治療にいくらかかっても大丈夫!原因が分かるまでとことん不妊治療を頑張る!と思えるご夫婦はスッキリするまでぜひチャレンジして下さい。不妊治療をしていると、一般の健康診断や人間ドックでは検査してもらえないことも調べてもらえますからね。

仕事の都合で決める

先に、不妊治療のための休職が認められている会社では1年を限度としているところが多いと書きましたが、そんな制度が整っていない会社のほうがはるかに多いです。私も在職中は休みを取るのに気を遣いました。

職種により、この季節は残業が多い、書き入れ時で休めないなど事情があると思います。もし、業務量や残業が比較的少なく余裕のある季節があれば、その時期は不妊治療に集中するというプランも良いと思います。

私の場合は、たまたま体外受精をはじめる辺りから出張を伴う仕事が多部署に移管するというラッキーもありました。既に決まっていた出張1件はドタキャンしてしまいましたが。その話は下記の記事でも掲載しています。

仕事をしながら不妊治療をするために気を付けたこと

人数で決める

不妊治療クリニックで2人目不妊の奥様をよく見かけます。1人いると、周りから「2人目はまだ?」なんてハラスメントを受けがちですし、職場の方から「1人いるんだからいいじゃない。」と言わんばかりの態度を取られて通院に二の足を踏んでしまったり、気苦労が絶えないであろうとお察しします。

今子どもがいない方はとりあえず1人、2人目不妊で悩んでいる方はもう1人、という現実的な目標が良いと思いますが、2人や3人以上欲しいと夢見ても良いのです。もし凍結している受精卵(胚盤胞)が複数ある方は、それらを戻せるまでチャレンジしようという目標で良いと思います。胚盤胞があるということは、この世にお2人の子どもがいるようなものですから。でも正確には子どもではなく細胞なんですよね。

私の主治医は「イタリア・ドイツ・北欧などは受精したら子どもなのですが、日本は14日を超えないと子どもではないのです。胚盤胞はまだ細胞です。」とおっしゃっていました。同じ胚盤胞なのに、国が違えば定義が違うんですね。

私の夫は結婚当初は2人欲しいと言ってましたが、治療費を300万円かけても1人産めるかどうかも確実ではない状況に、2人なんて贅沢は言ってられないと思うようになってきています。ですので、まずは目標1人です。私が妊娠できる治療法が1人目で確立され、年齢的にも金銭的にも大丈夫そうであれば2人目もいいなと思うかもしれませんが、現実的に私が収入源となる仕事を見つけられなければ金銭的余裕は生まれません(笑)

目標は見直しOK、ゴールを妊娠としないこと

私たちの場合は、どうも自然にできないと分かってきてから、夫が不妊治療を視野に入れ始めました。私は子どもがいなくてもいいのにと思いましたが、それでは折り合いがつかないので、不妊治療をすることは妥協しました。ただ、もし治療が長引くとしんどいと考え、私から「不妊治療クリニックに通うけど、体外受精を3回してもできなかったら諦める。」という条件を提示して同意(譲歩?)してもらい、スタートしました。

ところが、体外受精&子宮への受精卵(胚盤胞)の移植を2回終えたところで、思いもしない着床障害の疑いが出てきたため、ERA検査を受けることになり、3回目はホルモン補充周期で移植する時間を変更して実施することになりました。さらに、プレマタハラなど職場のストレスでうつ病を患い、3回目の体外受精では3つ採卵したものの、胚盤胞を1つしか作れず、悲しいかな今までで一番悪いグレードの胚盤胞でした。これを子宮に移植してもまたうまくいかないんじゃないか…?と不安になってきました。

夫と体外受精は3回までと約束していたため、3回目の移植が終われば、もう先はなく、妊娠しなければこれで不妊治療が終わってしまいます。あんなに子どもはいらないと思っていた私がここに来て、「もし3回目の移植がうまくいかなかったら、仕事を辞めてストレスがない状態でもう1度体外受精をしてみたい!」と思うようになりました。これを読んでいる方は、考えがブレブレじゃないか!と思うかもしれませんが、200万円も投資し、体を張って頑張ってきた分、ストレスが原因でパーなるのは嫌だという意地もありました。

夫に「もう治療費が200万円を超えたけど、これでダメだったら、仕事を辞めてストレスのない状態でもう1回だけチャレンジしたい、300万円を超えたら諦めるから。」と相談すると、「いいよ。そうしよう。」と言ってもらえました。人生最後の移植ではないと思うと3回目の移植はリラックスして受けることができそうです。

夫婦は元々違う家で育った他人なので、夫婦間で子どもの欲しさや、不妊治療に対する考え方が異なるのは当たり前です。倫理面、宗教観、個人の感情など、色々あると思いますが、どれも尊重されるべき考えです。お互いの希望を話し合い、お金や治療回数など夫婦間で折り合えるところを見出すことができれば、それをゴールとすべきです。妊娠がゴールではないのです。設定したゴールの手前で授かればラッキーじゃないですか?

今、いつまで治療を続ければいいのか?と悩んでいる方は、妊娠がゴールと思っていませんか?それでは、妊娠しない場合、やめ時が分からなくなって当然です。諦めきれない場合は、次の予算を決めてもう一度ゴールを設定し直してみてはいかがでしょうか?諦めがついた時は本当の意味でゴールかもしれません。

ABOUT ME
hayachan
33歳で不妊治療クリニックに通い始め、次々と予期せぬ展開へ。34歳で仕事と治療の両立が困難になり泣く泣く退職。治療費は200万円を突破。そんなリアルをお伝えします。