不妊治療

初めての体外受精、強誘発のデメリットと採卵の激痛

初めて体外受精スケジュールに入ることが決まってから、実際に体外受精を終えるまでの毎日はハードな日々でした。どんな人体実験が待っていたのか解説します。

思っていた体外受精と違った

私が受けることになった方法は、まず強い誘発剤を使ってたくさん排卵させ、できるだけ多くの卵子を採取するために毎日卵胞の成長を促す注射を打って複数の卵胞を最大限成長させ、可能な限り卵胞から卵子を取り出すという手法です。

医師から、「誘発剤がどれくらい効くかはやってみないと分からないので、うちの病院は最初はみんなこうしてるんです、この方法が1番妊娠する可能性高いので。事前の注射は金額が高くなるけど、体外受精には自治体の助成金が最初は30万円出るからね!」と言われ、キョトンとなりました。

「あの~うち、所得制限ギリギリアウトで助成金もらえないんですけど…。」と口を挟んだものの、「稼いでいる人ほど納税してるわけだから、私は所得制限なくすべきだと主張してるんですけどねー!」というお返事。

体外受精スケジュールに入ると治療費が全て自己負担になるのは覚悟していましたが、手術前の注射代ってそんなに高いのか…注射は体外受精の費用に含まれないのか…と少々騙された気分でした。さらに、卵がたくさん取れれば取れるほど体外受精の料金が跳ね上がり、この時点ではいくらかかるか見えません。なんだかモヤッとしたまま治療へ進んでいきました。

私たち夫婦は体外受精は30万円くらいでできると思っていたのに、結論から言うと初回の体外受精は41万円、移植まで含めると60万円かかりました。病院のホームページに書いてる料金は最低価格で、最高価格は載っていません。

体外受精から移植までにかかった治療費の詳細については下記のブログに掲載しています。

初めての体外受精は60万円!その内訳を振り返り

体外受精までのハードな2週間

生理がきたら病院に電話して次の診察日を聞くことになっていました。私は生理初日から数えて3日目に受診しました。体外受精スケジュールに入ると午前中しか受け入れてもらえないため、仕事は午前休時間休を取って朝一から病院へ行きました。

3日目から7日目まではクロミッドという誘発剤の錠剤を1日1錠飲んでいました。4日目~6日目は通院をしなくて済みました。

7日目から12日目までは、午前中毎日通院しました。日曜は通常の診察はしていませんが、体外受精の注射や採卵でどうしてもその日を外せない人だけ受け入れているそうで、平日の開院時間より30分早く来るように言われました。仕事と通院の両立だけでなく、早起きとの戦いも私にとってはハードでした。

7日目~11日目まではHMGフェリングという卵の成長を促す注射を、また10日目~12日目はセトロタイドという排卵を抑える注射を、それぞれ腕に打ちました。最初は日替わりで右腕→左腕→右腕と筋肉注射していましたが、2つの注射が重なってからは、毎日右腕と左腕に打ちました。注射痕だらけです。

注射だけなら、2時間の時間休でも出社できましたが、診察や採血が加わると2時間では足りませんでした。診察があったのは3日目、7日目、10日目、11日目、12日目です。特に10日目は診察をするかどうか行ってみないと分からなかったため、会社に「時間休を午前休に変更させて下さい。」と電話しました。さらに、12日は採血もあり、血液検査の結果がでるまで帰れず、午前休でも足りなくなりました。その時は追加で午後1時間分の時間休をもらいました。

12日目の採血で採卵日が決まり、その日は午前中も注射を打ちに通院していたのに、夜もまた病院に注射しに来るよう言われました。え?体外受精スケジュールは午前中しか受け付けてくれないのでは?と思いましたが、その注射は手術する時間の1日半前にする注射で、休診日でも看護師さんが対応しています。朝から14時まで仕事を休んだのに、定時で切り上げてまた病院に戻りました。卵巣が腫れて足を上げると痛かったため、歩くのと変わらないスピードでがに股で自転車をこいで行きました。夜はhCGという排卵を促す注射を打ってもらい終了でした。この注射から約36時間で排卵が起きるそうです。

そして、13日目は通院せずに済み、14日目の朝に採卵手術に挑むことになりました。

採卵手術の日は体外受精の日でもあります。

手術日が決まった時にクリニックから体外受精同意書の紙をもらっており、夫婦それぞれの署名をして、採卵手術の日に持っていく必要があります。この紙がないと手術も体外受精もしてもらえません。

私の採卵日が決まるまでは、夫もヤキモキしていました。夜勤にあたると朝に採取できなくなるからです。夫も職場に体外受精の予定を話し、休みを申請することになるかもしれないと打ち明けました。夫の職場には体外受精の経験がある方や、知り合いから体外受精の大変さを聞いたことがあるという理解のある方がおり、仕事と重なったら奥さんの方を優先したほうが良いと温かく応援してもらえました。

腫れていく卵巣で生活に支障が

ハードな2週間のうち、特に後半の1週間は卵巣の腫れが辛かったです。強い誘発のデメリットです。

いつも通院には職場へ最速で行けるよう自転車を使っていましたが、注射を始めるとだんだん卵巣が腫れてきて、足が上がりにくくなり、自転車をこぐのも一苦労でした。例えるなら、硬式テニスボールを足の付け根のあたりに左右1つずつ入れて歩いてるような感覚です。

足が上がりにくいので、職場の階段もハードでした。なぜか会議室がエレベーターのない建物の最上階にあるのです。バリアフリーの時代に逆行しています。

1番多いときは、1つの卵巣に大小合わせて20個くらいの卵胞が出現していたので、左右合わせて40個ほどいてたと思います。「多嚢胞性卵巣なので、卵胞がたくさん出てきてるけど、体外受精するなら卵は少ないよりは多い方がいいから!」と医師から言われていました。

大きめに育っている複数の卵胞がそれぞれ20mm(直径2cm)を越えるまで注射が続きました。大きくなる卵胞がいると、小さすぎる卵胞がだんだん淘汰されていき、最終的にはそれぞれの卵巣に10個ずつくらい卵胞があったと思います。

採卵の直前にはそれぞれの卵巣が7cmを越えていました。マジでテニスボールです。自然に排卵するときの卵巣は2cmと聞き、そりゃこれまで感じたことのない痛みのはずだわ…と思いました。生理痛とはまた違う場所の痛みなので、卵巣ってこの辺にあったのかと分かりました。

卵巣が腫れてきてからは、「卵巣捻転の恐れがあるから、通勤はしてもいいけど安静に。」と指導され、血栓ができやすくなるからと長時間座る新幹線はドクターストップがかかり、予定していた仕事の出張はドタキャンすることになりました。

採卵手術の準備品

私が通う不妊治療クリニックでは採卵時に麻酔を使いません。医師が1人のため、何かあったときに対応できないのです。

採卵の説明を受けたとき、痛み止めもないんですか?と食い下がったら、追加料金2,000円を払えば点滴で痛み止めを入れられると看護師から教えてもらえました。「追加料金がかかりますが…。」と申し訳なさそうに言われましたが、そこはケチりたくないです。1万円を越える注射を毎日打っていたので、2,000円で痛み止めを入れてくれるなら安く感じました。

手術はコンタクトレンズ、化粧、マニキュア、アクセサリーはNGです。採卵前夜から絶食・絶飲となります。前日は手術に持参するTシャツ、靴下、生理用ショーツ、ナプキン、眼鏡を用意しました。浣腸を買いに薬局にも行きました。

汚い話ですが、当日朝は浣腸を使ってでも便通も整えておいて下さいと言われていたので、産まれて初めて浣腸をしました。その間に、夜勤にあたらなかった夫には自宅でカップに絞り出してもらいました。夫はこの大事な仕事が終わると、本来の仕事へ出掛けていました。カップは私が責任を持って病院まで運びました。

どのように精子カップを運んだかは、下記の記事をご参照ください。

精子カップを持ち運ぶときに気を付けたこと

採卵は磔(はりつけ)の刑

病院で受付を済ますとベットがある個室に案内され、トイレを済ませておくよう言われました。個室で手術着に着替え、左腕に点滴が入れられました。点滴が半分くらい落ちると、手術室に案内され、頭にキャップをかぶり、手術台に寝かされました。

左腕は点滴に繋がれ、右腕は血圧計で縛られ、広げた足はそれぞれベルトで縛られ固定されました。磔の刑じゃないか…と思いました。カエルの解剖を思い出しました。

手術前の洗浄は、医師もだいぶ力を入れているなと思う念入りさ。グリグリされたり、器具があたったり、生ぬるい水で洗われたり。何をされているか見えないだけに、それだけでもビビります。でもまだこれは我慢できる痛みでした。

採卵の針が入ると、激痛が走りました。真横にいた看護師が、私が動かないように体を上から押さえつけてきます。大丈夫ですか?と言いながらも、すごい力で押さえつけてきます。

何度か痛みが襲ってきたあと、医師が「取れてますよ~。」と口を開いたので、もう終わりかと思ったら、「あともうちょっとで右の卵巣終わりますからね~!」と言われ、まだあるんかい!と思いました。

「これで右は終わりですよ~次、左いきますね~ちょっと痛いですよ~。」

グッサー!!

全然ちょっとじゃなーい!痛すぎるー!(泣)

卵巣を突かれるときより、この膣の壁をぶち破る時が1番痛かったです。針が膣壁を貫通すれば、卵巣表面の卵胞を突き刺して中身を吸い出し、まだ萎んでいない卵胞を追いかけるように針を刺していくようです。もう痛すぎて、このまま殺してくれと思いました。お金払って拷問を受けてる気分です。

横のモニターで手術中の卵巣のエコーや、取り出した卵子の顕微鏡映像が映し出されているようでしたが、眼鏡を個室に置いてきたので視力的にはっきり見えず、さらに自分とエコーの間に体を押さえつけてる看護師さんが立っているし、点滴に痛み止め本当に入ってるの!?と疑いたくなるような激痛が何度も襲ってくるのでモニターを気にする余裕なんてありませんでした。

リカバリーが遅く最後まで居残り

手術台から下ろされてから、看護師に付き添われて点滴台と一緒によちよち歩きで個室に戻りました。ベットに横になりしばらく休憩です。そこでも点滴が続き、この日は痛み止めや抗生物質などの点滴を合わせると計4袋分の液体が体に入りました。

点滴が終わってもなかなか痛みが引かないため、看護師が「ロキソニンを飲んで、痛み止めの座薬も入れましょうか?ロキソニンはプラス10円、座薬はプラス100円になりますが…。」と提案してくれました。体外受精の費用を考えれば、10円や100円なんて激安ですので、迷わずもらいました。

ベットで寝てる間に培養士がやって来て、今日の成績を教えてくれました。夫の精液検査はいたって優秀で問題ありませんでした。私は左右の卵巣合わせて13の卵胞に針を刺され、12個の卵子が取り出せたようですが、成熟卵子が4個、未成熟卵子が8個とのこと。でも正常に受精したかどうかは明日にならないと分かりません。

起き上がれるようになれば個室で着替え、パンとジュースが出されました。朝ごはん抜きだったので、これは嬉しかったです。

最後に、外来の診察台に呼ばれ、止血のために入れていたガーゼを取り出す処置を受け、抗生物質、止血剤、胃薬、黄体ホルモンの薬が処方されました。

私が呼ばれた時には、既に外来の午前中の診察は終わっており、自分以外に患者は1人もいませんでした。当日は私以外にも3人が採卵手術を受けていました。どうやら、私が1番多く採卵したようで、なかなか痛みが引かなかったため最後まで居残りだったようです。採卵数が少ない人は、私がリカバリーしてる間にケロッと歩いて帰って行ったと聞きました。

とても自転車に乗れる気がしなかったので、受付で「また取りに来るので自転車を置いて行ってもいいですか?」と聞いたところ、「え!?自転車で来てたんですか!卵巣が腫れているのにそんな無理をしたらダメですよ。」と叱られました。おたまじゃくしをよりフレッシュな状態で輸送すべく、自転車で来てたのですが…。

言い訳を書くと、手術の日は開院時間の30分前に来てくださいと言われ、その時間はバスの本数が少なく、自転車の倍の時間がかかるんですよね。手術後はバスよりだいぶ遠回りになりますが電車で帰りました。自転車は夜に夫の車で取りに行きました。車にギリギリ入る大きさで、夫に自転車を積み込んでもらいました。今後、手術をする日は公共交通機関で行こうと思ったのでした。

採卵手術後も、卵巣過剰刺激症候群のような症状で立ち上げれず2日間寝込んでしまったり、色々ありました。この話の続きは下記の記事へ

初めての体外受精の結果、異常受精が多すぎた

ABOUT ME
hayachan
33歳で不妊治療クリニックに通い始め、次々と予期せぬ展開へ。34歳で仕事と治療の両立が困難になり泣く泣く休職。治療費は200万円を突破し、35歳で退職。そんなリアルをお伝えします。