不妊治療

甲状腺の破壊スピードを速めてしまうストレスの怖さ

自分が橋本病の原因となる自己免疫抗体を持っていて、甲状腺機能低下症であると分かってから、1年以上ヨード制限に取り組みました。しかし、1年4ヶ月ぶりに甲状腺のエコー検査を受けると予想以上に甲状腺の破壊が進行していることが判明し、血液検査では破壊抗体の量が2倍に増えていました!甲状腺や甲状腺ホルモンに影響するものは何なのか解説します。

1年半前の検査結果とアドバイス

初めて甲状腺クリニックを受診した際、首にエコーをあてて、甲状腺の状態を確認してもらいました。

詳しくは下記の記事でも詳しく紹介しています。

不育症の一因「橋本病」からのヨード制限生活

エコー検査では、蝶々の形をしている甲状腺の大きさや組織がどれくらい破壊されているかを知ることができます。

私の甲状腺は普通の人の2倍以上に腫れ上がり、白い組織の中に、ところどころうっすら黒い影がありましたが、まだ破壊の程度は初期の段階でした。

その黒く見える部分が、橋本病の原因となる自己免疫抗体がヨードを取り込んで甲状腺の組織を破壊してしまったところです。

甲状腺の組織は、通常ヨードを取り込んで甲状腺ホルモンを作る場所です。

しかし、橋本病の場合、自己免疫抗体がヨードを取り込んで、あろうことか自分の甲状腺を異物とみなして攻撃してしまいます。

甲状腺の組織が破壊されたところは、甲状腺ホルモンを作ることができなくなり、甲状腺の破壊が進むほど自力で作れる甲状腺ホルモンが少くなってしまいます。

自己免疫抗体を持っている私のような人は、遺伝子に自己免疫抗体が作られてしまうよう組み込まれてしまっているため、どうすることもできません。

1度できてしまった自己免疫抗体は、体から取り出すことはできないのです。

海の上にある日本は、例えばお米にも微量なヨードが含まれており、いくら食生活を工夫してもヨード摂取ゼロ生活は不可能です。

つまり、自己免疫抗体がヨードを取り込み、甲状腺の破壊が進行してしまうことは、止めようがないのです。

そのため、甲状腺の破壊のレベルに合わせて、甲状腺ホルモンを薬で補い、一生付き合っていくことになるのですが、ヨードを過剰摂取をすると破壊の進行するスピードは速くなります。

また、ヨード以外にも、タバコの煙、ストレスが甲状腺の破壊スピードを速める原因になります。

他にも、女性ホルモンが少なくなると影響がありますが、それは更年期女性に多い原因です。

基本的にはヨード、タバコの煙、ストレスが破壊のスピードを速める3大要因になります。

医師からは「破壊を止めることはできないが、食事のヨード制限やタバコの煙(副流煙)を吸わない、ストレスをためないことで、破壊のスピードをゆっくりにすることはできる」とアドバイスされました。

私は昔からタバコの煙の臭いや空気がすごく苦手で迷惑と思っていましたが、体が拒否反応をしていたのかなと思いました。

その時は特別ストレスもなく、とにかくヨード制限を頑張らねばと思い、医師のアドバイスに従って食生活を変えていくことに必死になりました。

甲状腺ホルモンに影響した不妊治療の注射やホルモン補充

妊娠を望む場合は、甲状腺ホルモンの指標となるTSH(甲状腺刺激ホルモン)が2.5未満つまり、2.4以下になるよう、甲状腺ホルモンの補充量を調整しなければなりません。

私は最初の検査でTSHが2.610と、2.4を超えてしまっていたため、まずはチラーヂンSという甲状腺ホルモンを補充する薬を、1番低用量の12.5μgから服用しはじめ、毎月の血液検査でTSHが2.4以下になるまで少しずつ増量しました。

しかし、2.4を少し下回ってもギリギリの値では、不妊治療で使う薬の影響ですぐに2.4を超えてしまうことがあります。

そのため、2.4以下になったとしても、さらに増量を続けました。

それ以上薬で補充すると逆に甲状腺ホルモンが過剰になる!というギリギリ手前の値をキープするほうが安牌のようです。

例えば、不妊治療の初期に子宮卵管造影検査を受けることがありますが、造影剤にはヨードが含まれており、それが体の中から吸収されると、私のような人はヨードの過剰摂取となり、TSHに変化を及ぼしてしまい、そのまま妊娠すると流産の可能性が高まります。(造影剤は油性と水溶性がありヨード含有量は異なります。)

そのため、子宮卵管造影検査を受ける前に、卵管造影後にそのまま妊娠しても問題ない、余裕を持った値まで制御しなければなりません。

実際、子宮卵管造影の前後でチラーヂンSの服用量は同じでしたが、子宮卵管造影検査をして大丈夫と言われたときのTSHは0.829で、子宮卵管造影検査後1ヶ月して採血するとTSHが1.130に上がっていました。

他にも、体外受精前に卵胞の成熟を促すhMGという注射を打つ場合は注意が必要です。その注射をすると、甲状腺ホルモンの消費量が増え、甲状腺ホルモン量が不足することになり、TSHが上がります。

私がhMG注射をした数日後に採血すると、TSHが3.810になり、一気に2.4を飛び超えていました。効果覿面すぎます。

もしこのまま妊娠すると流産の可能性が高まるので、すぐにチラーヂンSを増量することになりました。

また、ホルモン補充周期では、女性ホルモンを皮膚から補充するために、毎日お腹にパッチを貼ることがあったのですが、女性ホルモンの量の変化も甲状腺ホルモンやTSHの値に影響することがあります。

そのため、私は不妊治療の初期から甲状腺のクリニックにはほぼ毎月通っています。採血してTSH値の変化をモニタリングし、服用する薬(チラージンS)の量をコントロールしています。

甲状腺のクリニックでは、逐一不妊治療クリニックの治療予定や治療内容を報告しています。

逆に、不妊治療クリニックには甲状腺クリニックの検査結果が出るたび持って行くことになっています。不妊治療クリニックの受付で検査結果を渡すと、いつもコピーが取られ、医師が値を確認して、カルテにメモしています。

季節によって変わる甲状腺ホルモンの消費量

体の中の甲状腺ホルモンは、一般的に冬の寒い時期のほうが消費量が増えます。

寒い体を温めるために、より多くの甲状腺ホルモンが使われるためです。

逆に、夏の暑い時期には、甲状腺ホルモンを補充しているとすぐ汗をかいて、バセドウ病のようにハァハァとしんどくなったり、心臓の動きが激しくなり胸が痛くなる場合があります。

そのため、季節によって、微調整も必要になることがあります。

私が実際に経験した中では、不妊治療の注射の影響で薬を増量し、1ヶ月後TSHが安心できる値まで下がっていたことを確認しても、秋口で「これから寒くなるから引き続きこの量でいきましょう。」となったことがあります。

その後、同じ服用量のまま春や夏になると、歩くだけでもすぐ汗だくになり、ハァハァと息が切れることがありました。

そのため、不妊治療をお休みしている時は、減量してもTSHに問題がなさそうな場合のみ、微量ですが、減量してもらったこともあります。

ただし、減量したあとはそのまま不妊治療を再開できませんので、体外受精スケジュールに入る予定などあれば、また採血をしてTSH値の再評価が必要です。

私は、チラーヂンSを減量したあと、過度のストレスに襲われたことも影響してか、翌月の血液検査でTSHが一気に2.090と上がり、2.4に迫る値になってしまったため、医師が焦っていたこともあります。

本当にストレスは恐ろしいです。

ストレスで甲状腺の破壊が一気に加速

甲状腺クリニックでの月ごとの検査や、不妊治療のスケジュールに合わせた臨時の検査は、血液検査だけなのですが、1年に1度は甲状腺のエコー検査を受けるよう勧められます。

エコーでは甲状腺の破壊の程度や、甲状腺ガンになっていないかを確認します。

私はちょうど1年になるタイミングではなく、1年4ヶ月たってから2回目のエコー検査を受けました。

2回目の検査前は、ただの定期検査だと思ってのんびり構えていました。

ヨード制限をずっと頑張ってきていましたし、甲状腺ホルモン補充の薬も忘れず毎日飲んでいるため、深刻な結果が出るとは思いもしませんでした。

エコー検査をすると、明らかに1年半前より、甲状腺の中の黒い影が増えていました…!

以前は霜降り肉の脂のように、細かな細い黒い影がところどころにあり、一つ一つの影は目立つ感じではなかったのですが、今回は塊のような、まとまった黒い影がたくさんできていました!

さらに、血液検査で1年4か月ぶりに甲状腺を破壊している自己免疫抗体(破壊抗体)の量を検査してもらうと、2倍に増えてしまっていました…。

私は橋本病の原因となる自己免疫抗体を2種類とも持っているので、元々ヨードを取り飲むと2倍のパワーで甲状腺を破壊するのですが、自己免疫抗体の量が増えたということは、より破壊力が増したということです。

1度増えてしまった自己免疫抗体は、残念ながらどうすることもできません。

1年半でここまで破壊が進行するとは医師もビックリだったようで、眉間にしわを寄せながら、不妊治療の薬の影響以外に、ヨード制限はできてる?ストレスはない?と聞かれました。

甲状腺クリニックでは、メンタル不全(不安障害・うつ状態)で休職してることをまだ報告していなかったのに、まるで全部お見通しのような言葉にハッとさせられました。

ヨード制限は必死で取り組んできましたが、去年の診察で、破壊の進行スピードを速める原因にストレスもあるとアドバイスされていたことを、この時改めて言われるまですっかり忘れていたのです。

ここ数ヶ月、季節的には温暖な時期にも関わらず、以前使っていた不妊治療の薬の影響がまだ残っているのか、来るたびに甲状腺ホルモンの薬が増量になるなと思っていましたが、ストレスによる甲状腺の破壊により、自分で生産できる甲状腺ホルモンが減っていたことが原因の一つだったのだと分かりました。

改めて、甲状腺の破壊が進むほど、自力で甲状腺ホルモンを作れなくなり、その分薬で補充しなければならないのだと理解が深まりました。

ストレスが原因でメンタル不全に陥ったとき、ストレスは排卵を命令するホルモンにも悪影響を及ぼすことが分かりましたが、ストレスは無意識に甲状腺にもとんでもない悪影響を与えていたことがショックでした。

休職してからは、心療内科、不妊治療クリニック、甲状腺クリニックと3つの病院をはしごする毎日でしたが、それぞれで診てもらっている症状は全部繋がっていて、ストレスという原因が共通しているなと再認識しました。

いずれの病院でも、ストレスをためないことが大切と説かれました。

休職したことで、仕事に追われることがなくなり、直接プレマタハラを受けることもなくなりましたが、既に破壊されてしまった甲状腺の組織は取り戻せません。

私は、不妊治療をするしないに関わらず、いかにこれから、ストレスを感じずに生きていくかが、甲状腺の病気と付き合う上で重要になってきます。

もしストレスを感じればその原因と向き合い、ストレスを軽減したりなくす方法を考え、根本的なストレスの原因から素早く開放されると良いのでしょう。

頭では分かっていてもうまくストレスを抱えずに生きていけるのか、その攻略が破壊のスピードをゆるめる鍵を握ると思います。

元々、私は夫と3回目の体外受精で不妊治療を終える約束をしていました。

しかし、メンタル不全が完全に解消していない時期に3回目の体外受精を終えたためか、結果は微妙でした。

もし凍結した胚盤胞を移植してうまくいかなければ、仕事をスッパリ辞めて、メンタルを改善して、ストレスがない状態でもう一度だけ体外受精にチャレンジしたいと思うようになりました。

ABOUT ME
hayachan
33歳で不妊治療クリニックに通い始め、次々と予期せぬ展開へ。34歳で仕事と治療の両立が困難になり泣く泣く休職。治療費は200万円を突破し、35歳で退職。そんなリアルをお伝えします。